列車に乗るときには、駅で乗車券を買って改札を通り、降りるときにまた改札を通るというのが一般的な方式だと思います。

 しかし、一部の無人駅では改札が設置されていない駅があります。このとき、特に改札のない無人駅が密集している路線では、列車のドアが改札の代わりとなり、車内の運賃箱に有効な乗車券や運賃を投入するか、定期券を運転士さんに提示する形をとります。
 このような制度では、お客が正しく運賃を支払っているかをすべて判別するのは難しく、性善説に基づいている部分があります。

 そこで今回は、実際に大阪近郊のワンマン路線である和歌山線と関西本線に乗車して、運転席付近で降りてゆくお客さんを観察していました。すると、いるわいるわ怪しいお客が。ということで、今回は実際にいた怪しいお客をまとめてみました。

1.きっぷを裏向けに差し出すお客 (不審レベル★☆☆)

 ワンマン列車では基本的に停車中は運転士さんが運賃箱の前に立って乗車券や運賃の授受や案内を行っています。このとき、券面が見えやすいように表向きに出せばいいものを、何故か裏の黒いほうを上にして差し出すお客がいました。しかも運転士さんも券面を見ずにきっぷを運賃箱にポイ。まあ100円足りないエドモンソン券なんかを出されても、いくら乗務員とはいえ運賃を全部覚えているわけないんだから気づかないでしょうけどね。個人的には無人駅までのきっぷは全部マルス券にすればわかりやすいのにと思います。

2.運転士さんが立っているのにきっぷを運賃箱へそのまま入れるお客 (不審レベル★☆☆)

 和歌山線なんかだと駅についても運転席に座りっぱなしの運転士さんもいらっしゃいますが、そうではなくて運賃箱の前に運転士さんが立っているのに、手渡さず運賃箱に直接入れるお客なんてのもいましたね。まあルール的には「運賃箱か駅の集札箱にお入れください」なんで間違ってはいないんですが、なんとなく怪しいですよね。仮に正しいきっぷを買っていても、運転士さんからすれば気分悪いでしょうし。

3.券面を不自然に隠して提示するお客 (不審レベル★★☆)

 ふつう、券を他人に見せるときは掌に置くとか縁を持つとかするでしょう。しかし、あまりにも不自然に指の腹で日付のところを隠しているお客がいたんですよ。これでは、期限切れの定期を使っていると思われても仕方がありませんよね。

4.乗車口から降りる客 (不審レベル★★★)

 こんなのもう論外でしょう。特に和歌山線で多く見かけます。和歌山線は、主要駅や4両編成の電車、朝ラッシュ時などをのぞいて「後乗り前降り」なのですが、そんなことはお構いなく後ろの乗車口から降りていくお客がいて、それも2、3人とかいうレベルではありません。下手すると各駅降車人数の半数は乗車口から降りています。しかもその人たちを追っていると、きちんと集札箱にきっぷを入れている人はごく僅か。もしかしたら定期券を持っているのかもしれませんが、有効な定期券を所持していても、降車時に乗務員に提示しなければなりません。

5.乗車口付近でソワソワしているお客 (不審レベル★★★)

 こんなのもいましたね。乗車口付近でやけにソワソワしているお客。関西本線での話ですが、関西本線では乗車駅を特定するために乗車した際に整理券を取る方式が取られています。で、駅に着いた時に運転席側から車内を見渡すと、乗車口付近にいる人と何度も目があったんですよ。そのときはなぜそんなに目が合うのかわかりませんでしたが、今となっては運転士さんに見つからないように途中駅で整理券を取るタイミングを窺っていたのではないかと思うんです。尤も確証はありませんがね。

番外編.ICOCA利用外のエリアまでICOCAで来るお客 (迷惑度★★★)

 「怪しいお客」という趣旨とは少しズレますが、同じくワンマン列車に出没した迷惑なお客。和歌山線の和歌山〜五条間と関西本線はICOCAカードの利用エリア外なのですが、ここにICOCAカードで颯爽と登場する迷惑なお客が。
 特に関西本線などでは、後刻ICOCAカードの入場履歴を取り消すために証明書を運転士さんが書く必要があり、下手すれば発車が2〜3分遅れることも。しかも今回遭遇したお客は祝園から乗ったといいます。祝園なんて、加茂からたったの3駅ですよ。その距離にいるお客でも知らないというのだから、これはJRの周知不足と言わざるを得ません。


 ということで今回は、ワンマン列車の怪しいお客たちをまとめてみました。これを見ると、JRにも改善の余地はあると思うんですけどね。まあ不正乗車をする輩がそもそも悪いという事実は揺らぎませんが。
 こんなことは思いたくありませんが、ひょっとすれば読者の方にも不正乗車をしている方がいるかもしれませんので一言。不正乗車は犯罪です。