かつては国鉄の鉄道線を補完する「国鉄自動車線」というものが日本中を縦横無尽に駆け巡っており、これも国鉄線のうちと扱われたため国鉄の乗車券に自動車線を組み込むことも可能でした。

しかし、その後国鉄はJRへと継承され、まもなく自動車線はすべてJR各社の子会社に分社化されてしまい、原則自動車線を経路に組み込むことができなくなってしまいました。

ところが、JR西日本の子会社、西日本JRバスの運行する自動車路線のうち、鉄道代行の要素が強い「中国高速線」(大阪〜津山)と「若江線」(近江今津〜小浜)に関しては、連絡運輸という形ではありますが、JRの乗車券で発売が可能です。

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ということで、実際に中国高速線連絡の乗車券を購入しました。

初めは交通公社の営業所で購入しようとしたのですが、発売できないとのことだったので同価格帯の普通乗車券(大阪から上越妙高までの普通乗車券だったと思います)を旅行券で購入し、これを駅へ持ち込んでこの券へと乗車変更するという形をとりました。

出札補充券での発売です。運賃は7,430円です。

発駅は大阪市内、着駅は大阪駅JRバスターミナルで、経由は「東海道・山陽・津山線・津山・中国高速線」となっています。

今思えば、経由を「新大阪・新幹線・西明石・山陽・相生・新幹線・岡山・津山線・津山・中国高速線」とすれば、駅名と路線名の交互表記となって面白かったなと思うわけですが、購入時はそこまで頭が回っていませんでした。

有効日数は4日です。鉄道線の区間が235.2kmで3日、これに中国高速線の1日を加えて計4日です。

また、「再掲」の「自動車運賃」の項目に、中国高速線の運賃2920円が書き入れられています。

この項目は国鉄自動車線が存在していた時代の名残であり、現在は使われることはありません(実際、新しい補充券ではこの項目が「連社1」、「連社運賃計」の項目が「連社2」となり、「自動車運賃計」の項目は抹消されています)。

今回の例でも、中国高速線は自動車線ではなくあくまでも連絡運輸の社線扱いなので「連社運賃計」の項目に記入するのが正当です。

が、私個人としてはこの時代に「自動車運賃計」という欄に運賃が書き入れられることなんてまあないので、別に気にしないどころか内心ニヤニヤしたりしています。

ところで、この券のうち券番と発行箇所、元号訂正の駅名小印に修正をかけています。

基本無加工でご紹介する当ブログでは珍しいことですが、これには訳があります。

というのも、この券は本来はマルスの金額入力操作で発売が可能な券なのです。

発駅の特定都区市内を回避するために迂回していますが、このような券も西日本の駅で発売実績があり、マルスの金額入力操作で発売されています。

ではなぜ今回の券が補充券での発売となったのかというと、別に恫喝したわけではなくこういう事情があります。


と、こんな具合です。もちろん記憶を呼び起こして文字にしているので一言一句同じということはありませんが、概ねこのような流れでした。

しかし、この駅の裏の方は相当スキルが高いにもかかわらず即時補充券との回答が出たということは、何か理由があるのかもしれません。

例えば、先にあげた先例から今回までの間に中国高速線連絡絡みで金額入力のミス、誤発売があったとかなら、同線連絡の金額入力を禁止して補充券での発売に切り替えるということは大いに考えられます。

ただ、仮にミスでの発券(効力については問題ないですし規則に反しているわけでもないので、誤発売ということにはなりませんが)であったとすれば、発行駅を出してしまうと色々不都合となってしまいます。 

そんなわけで、今回は発行箇所を伏せさせていただいています。

同様の券の購入を考えられている方は、今回の券は金額入力でも発売可能だという点にご留意頂けると幸いです。