京都と奈良(厳密には木津)という2つのみやこを結ぶ、JR奈良線。このJR奈良線には「みやこ路快速」という快速電車が走っており、転換クロスシート車の221系で快適に移動することが可能です。
が、今回はあえてみやこ路快速を使わず、全区間普通電車で乗り通そうと思います。
なぜそんなことをするのだと言われても困りますが、最近大回り乗車のしすぎでマンネリ化が顕著になっており、ちょっとしたスパイスを加えようか、といったところです。
【目次】
隣の9番線に221系の普通城陽行きが、そしてこちらのホームに今回乗車する103系の普通奈良行きが停車中です。
奈良線の普通電車というと圧倒的に205系が多いので、205系でない普通電車が2列車並ぶというのは珍しい光景ではないでしょうか。
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【目次】
1.京都駅で発車を待つ
京都駅10番のりばの発車標(京都,2680.7.10)
普通電車の奈良行きは、10番のりばから発車します。10番のりばは、みやこ路快速が主に発着する8番のりば、普通城陽行きが主に発着する9番のりばの向こうにあり、東海道新幹線の乗換口に近接しています。
奈良線の普通電車というと圧倒的に205系が多いので、205系でない普通電車が2列車並ぶというのは珍しい光景ではないでしょうか。
このときは先ほどの城陽行きの発車直後、そして城陽より先の各駅へはあとのみやこ路快速を使っても同着というタイミングでしたので、お客さんはいませんでした。
発車時には各シートに3〜4人が着席する程度にまでなっていました。
奈良線に残っているのはこのNS409編成のほかはNS407編成のみで、絶滅危惧種となっています。
東海道・山陽本線系統に225系が増備されて221系の退くときが、この103系のリミットかなと思っています。
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東福寺駅の駅名標(東福寺,2680.7.10)
京都を発つと、まもなく次の東福寺に停まります。東福寺は京阪線との乗換え駅で、みやこ路快速以下すべての営業列車が停まります。
繁忙期には下りのみやこ路快速も臨時停車します。
京都から続いた複線区間はここで一旦終わりとなり、しばらく単線区間が続きます。
桃山はみやこ路快速通過駅ですが、下りのみやこ路快速のほとんどが行き違いのためこの駅で運転停車を行ないます。
この列車も、当然普通電車なので客扱いを行った上で上りのみやこ路快速と行き違いを行ないました。
桃山を出ると、まもなくみやこ路快速の停車駅で地下鉄線との乗換駅でもある六地蔵に到着です。
六地蔵では、205系の上り普通電車京都行きと行き違いを行ないました。
木幡駅の駅名標(木幡,2680.7.10)
六地蔵を出て、なおも南進します。次は木幡です。
この駅の近くには京阪の「木幡」駅もありますが、こちらは「こわた」と読みます。
黄檗も同じく京阪の駅が近接しており両駅間の直線距離は十数メートルといったところですが、連絡通路などの設備がないため実際はかなりの迂回を強いられます。
3.快速に先を譲り、さらに南下
宇治でみやこ路快速との緩急接続を行ないます。
一見本線に待避する普通電車が、待避線に先行するみやこ路快速が停まっているように見えますが、分岐器は内側に大きく曲がっており、外側が本線、内側が待避線という構造になっています。
ちなみにこの普通電車の16分前に発車したみやこ路快速は、この時点で終点の奈良に到着しています。
宇治の次はJR小倉。開業が平成13年と新しいうえ京阪線の同名駅と隣接、九州の「小倉(こくら)」駅とも区別するため、頭に「JR」を冠します。
この新田と先ほどのJR小倉は、みやこ路快速は通過するものの快速は停車します。
写真を撮れませんでしたが、新田の次は城陽です。
半数の普通電車はこの城陽で折り返します。
前者は山陰本線の青谷駅、後者は近江鉄道の多賀大社前駅(開業時:多賀駅)と区別するために「山城」を冠しているのでしょうか。
「山城」を冠する駅名はこの2駅だけで希少です。
玉水はみやこ路快速を含めた全列車の停車駅ですが、乗車人員は1日1,000人にも満たず、これはみやこ路快速の通過する長池などよりも少ない数字です。
この駅にみやこ路快速が停まるのには諸説ありますが、「玉水は井出町の中心駅であるが、沿線の市町村それぞれに最低1駅はみやこ路快速の停車駅があるため」というのが有力だとされています。
また、みやこ路快速は玉水1番のりばの発着ですが、この電車は京都行きのみやこ路快速と行き違いを行うため2番のりばの発着となります。
上狛駅の駅名標(上狛,2680.7.10)
玉水からは、棚倉、上狛と停まります。
上狛から少し離れたところには近鉄線の「狛田」駅があり、そのすぐ近くには学研都市線の「下狛」駅があります。
上狛、下狛で対をなすようになっているんですね。
また、宇治で先に行かせたみやこ路快速はこの頃に奈良に到着です。
上狛を出ると、間も無く木津です。
木津止まりの奈良線の電車はなく、すべて奈良まで直通していますが、正式には木津までが奈良線で、その先は大和路線(関西本線)の区間となります。
平城山駅の駅名標(平城山,2679.9.23)
次は平城山です。みやこ路快速は通過、奈良線の快速も通過、だけれども大和路快速と大和路線の快速は停車、という少し変わった駅です。
そしてようやく終点の奈良に到着です。
時刻は15時4分。この電車の1つ前のみやこ路快速に乗り奈良で最近の大和路快速に乗り換えていれば、すでに天王寺に到着している時間です。
反対ホームから撮ります。103系の余命もあとわずかかもと考えると、悲しくなりますね。
4.まとめ
今回は、奈良線を普通電車で乗り通してみた模様をお届けしました。
時間はみやこ路快速の倍ほどかかりますが、マンネリ化してきたという方は気分転換に一度敢行してみてはいかがでしょうか。
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